このセクションでは、GameMaker Studio 2 のプロジェクト作成において最初に必要なもののひとつである スプライト について説明します。 リソース のセクションでも説明したとおり、スプライトとは、(必要に応じて) アニメーション化して画面へ描画できる画像のことです。一般的に、スプライトはオブジェクトへ割り当てて使用されますが、ルームエディターの アセット レイヤー 、またはコードからスプライト単体で描画することもできます (詳細は後述)。また、タイルセット として使用するスプライトを作成することもできますが、これについてもあとで説明することにします。
スタート ページ から新規プロジェクトを作成すると、(当然ですが) リソース ツリーには空のフォルダーが用意されているだけで、リソースはひとつもありません。まずは、スプライトのリソース フォルダーを 右クリック して 作成 を選択しましょう。これで、新規スプライトが作成されスプライト エディターが開かれます。もしスプライト エディターが開かないときは、作成されたリソースをダブルクリック してください:
見てのとおり、ウィンドウの左上には、スプライトの "名前" のフィールドがあります。スプライトを含むすべてのリソースには、ユーザーおよび GameMaker Studio 2 が識別できるようになんらかの名前をつける必要があります。この名前は、リソースを一意に "指し示す" ID を保持する変数として使用されることに注意してください。そのリソースがスプライトであるか、またはオブジェクトであるかなどをすぐに判別できるよう、各スプライトにわかりやすい名前をつけることをおすすめします。たいていの人は、スプライト リソースには "spr" という接頭辞または接尾辞 (例: "spr_Ball") をつけるようにしてこれを区別しています。スプライトを含むリソース名には、アルファベット、数字、アンダースコア "_" のみを使用することができます。また、リソース名の頭文字にはアルファベットのみ使用できることに注意してください。
スプライト エディターのほかの機能については最後に説明するとして、まずは 画像エディター を使ってスプライトを描く方法について説明しましょう。画像エディターは、ゲームのグラフィックを作成するための非常に強力なツールです。画像の編集 をクリックすることで起動できます。 画像エディターの詳細については 画像エディター のセクションで掘り下げるとして、ここでは簡単な説明のみにとどめておきます:
- フレーム ビュー (左上) - スプライトのフレームを表示します。虫めがねのアイコンでサイズを変更できます。
- 描画キャンバス (中央) - 現在選択されているフレームの描画をします。マウス ホイール をドラッグしてフォーカスを移動させたり マウス ホイール を回転させて拡大・縮小できます。
- 基本ブラシ (右上) - ペイントに使用するブラシをここから選びます。カスタム ブラシもここへ追加されます。
- カラー ピッカー (中央右) - マウスの左または右クリックへ割り当てる色を選択します。これにより、同時に2つの色を使い分けることができます。
- ツール (カラー ピッカーの真下) - ブラシや塗りつぶし、マスク、図形ツールなど、さまざまなペイント ツールが用意されています。なかには、枠のみ描くか、または塗りつぶして描くかによって、アイコンがななめに分割されているものもあることに注意してください。
- レイヤー ビュー (右下) - ほかのペイント ソフトと同様に、ペイントに使用する複数のレイヤーを作成できます。たとえば、下のレイヤーへ影響を与えずに、描く位置や色などを試してみることができます。
画像エディターでいろいろと描いてみて満足したら、現在のワークスペースを閉じ (画像は保存されます)、スプライト エディターが表示されているワークスペースへ戻りましょう。ここで、スプライト エディターを実際に使いはじめる前に知っておきたい、いくつかの機能について紹介したいと思います。
まずはじめに知っておいてもらいたいのは、スプライトの 原点 を指定する方法についてです。原点というのは、スプライトのルーム内における "アンカー" として使用される点のことです。試しに、原点をスプライトの中心に設定してみましょう。下のメニューをクリック して "中央" を選択してください: 画像のプレビューで、原点を示す十字がスプライトの中心に移動していることがわかると思います。なお、プレビューの任意の場所をクリック して、原点を配置することもできます。また、上部の X/Y フィールドへ座標を手動で入力することも可能です。
もうひとつ重要なこととして、スプライトの 当たり判定 を指定する方法について説明します。当たり判定は、スプライトの衝突が発生したかどうかを GameMaker Studio 2 が判定するための領域です。デフォルトでは 矩形 (長方形) に設定されています (これが高速に処理できます)。ここで、バウンディング ボックスの検出方法を 自動 (デフォルト) または 手動 から選択できます。手動 に設定した場合、バウンディング ボックスの上下左右を自由に指定することができます。
当たり判定の種類を矩形以外に設定すると処理が低速になりますが、小さくてシンプルなゲームではほとんど問題になりません。さて、スプライト エディターを閉じてください。次は タイルセット の説明に入ります。